政権批判がタブーとは、どこぞの国と同じじゃありませんか

私にはまったく理解できないのだが、権力者、為政者を批判することを許さない、という人々の考えだとか或いは空気?(語尾上げ)みたいなものが蔓延する今のご時世です。
特に、いつでもどこでも言論を統治・弾圧しようという志向*1の強い安倍晋三が首相になってからというものことさら顕著になっているようです。

 

最近でもアイドルグループが政権批判をしたというかどで自治体の後援を取り消される、という案件があったばかりです。

(引用ここから)

 

「自民党倒せ!」アイドルグループが政権批判 大和市などイベント後援取り消しへ - 産経ニュース

 神奈川県大和市と市教育委員会が後援し、今月開催されたイベントで、出演したアイドルグループが自民党などを批判する内容の歌を歌っていたとして、市と市教委が同イベントに出していた後援名義を取り消す方向で検討していることが23日、分かった。「特定の政党、宗教、その他政治団体および宗教的な団体などを支持し、またはそれらの活動に関係のないもの」とする後援名義要領にそぐわないとして、後援名義の事後取り消しを近く主催者側に伝える。

 市によると、イベントは「若者と国家-自分で考える集団的自衛権」とのタイトルで「憲法九条やまとの会」が主催、今月13日に市保健福祉センターホールで開かれた。イベントではアイドルグループが「諸悪の根源、自民党」「本気で自民党を倒しましょう!」などと自民党安倍晋三政権を批判する内容を替え歌で歌ったという。

 イベントを直接見た市の船越英一国際・男女共同参画課長は「特定政党を批判する言動があり、近く主催者に後援名義の取り消しを伝える」としている。市教委も市と足並みをそろえるという。

 憲法九条やまとの会の斎藤竜太事務局長は産経新聞の取材に対し「取材はお断りする」とした。

(引用ここまで)

 

【特定の政党、宗教、その他政治団体および宗教的な団体などを支持し、またはそれらの活動に関係のないもの】

という自治体の後援名義要領にそぐわない、という理由からだそうですが、『特定の政治団体を支持し、その活動に関係ないもの』というその文言の意味するところは支持団体が特定の政党を支持する活動だと、どう読んでもそう思うのですが。
批判する活動をしてはいけない、と書いてませんね。

 

この件はちょうど一カ月前だったのです。
今度は七夕の飾りが「ふさわしくない」ということで撤去されるという報道がありました。

 

mainichi.jp

 

悔しいことに、いつも拝見する著名なブロガーの宮武嶺さんが既に記事にされていまして。

 

安倍政権で進む表現の自由萎縮社会。撤去された七夕の垂れ幕。改変される芸術。削除させられたブログ。 - Everyone says I love you !

 

そのことに気がついた時は私もブログ記事を書きだしたあと、というまことにタイミングのよろしくないことでして。
(先方は東京都現代美術館における文科省批判する展示物の改変要請問題も取り上げておいでです。)
ま、先方は超有名なアルファブロガーですし、こんな場末ブログが内容が被っても大勢に影響はないだろうと、このままズンズン進めようと思います。

(引用ここから)

長野市中心部の商店街「権堂アーケード」で、商店主が、安全保障関連法案などを批判する垂れ幕の付いた七夕飾りを設置したところ、「祭りにふさわしくない」との意見が市などに寄せられ、自主的に撤去したことが分かった。商店主の50代男性は「今声を上げなければと思ったが、周囲に迷惑がかかるので撤去した」と話している。

(中略)

 商店主の男性は21日、「戦と書きアンポと読ます」「わが子も孫も人を殺(あや)める」と安保法案への異議など、自ら考えた14種の標語を垂れ幕7本の裏表に書き、つり下げた。垂れ幕がツイッターなどで写真付きで拡散したこともあり、「七夕にふさわしくない政治宣伝。事実をねじまげ宣伝している」といった批判が市に数件寄せられた。市担当者は24日、批判があったことを伝え、商店主は同日、垂れ幕を撤去。市産業政策課は「市として撤去を要望したことはなく報告しただけ」と説明している。

(引用ここまで)

市としては撤去の要望はしてはいない、ということだそうだが「ふさわしくない政治宣伝とか、事実を捻じ曲げている、という批判が市の方に来てましてねえ」などと、忖度しろと言わんばかりの言いようであったことは想像に難くなく、吊り下げたご本人が自主的に撤去したそうです。

 

この短冊の画像写真は貼りつけませんが、この中で面白いのは「これで私もブラックリスト」という短冊がありましてw
自虐的と言いますか、この方のユーモアセンスを端的に表しているものではないかと。
撤去されて非常に残念でなりませんね。

 

ところで、このブクマについたコメントに「祭りで政権批判、恥ずかしいな」というものがあるのだけど、政権批判のいったいどこが恥ずかしいというのだろうか。主権者である国民が権力を監視したり間違っていると思うことを指摘したり批判したりすることのどこが恥ずべきことなんだろうか。(二度言いしましたけど、何か)

 

安倍晋三戦後レジームからの脱却、ニッポンをトリモロす、というスローガンを叫ぶのは戦前への回帰ではないか、とよく言われるところではあります。戦後と言えば一般的には第二次世界大戦後のことかと思いますわね。
けれども、京都人にまつわる冗談で、戦後と言えば「応仁の乱」の後のことを指すのだというものがあります。*2

 

でも実は本当の所、安倍晋三お上の言うことご無理ごもっとも、逆らっちゃなんねぇ、などと言う社会の空気の醸成と蔓延を作りだし、ひょっとしてつまり、応仁の乱』の後からの脱却と中世ニッポン封建制度をトリモロしたい、ということではないかと思うのでありますが。

 

*1:2001年に故中川氏とNHKの番組改編に圧力をかけた

*2:京都人が「あのいくさは大変どしたえぇ」というのを、どの戦?と訊けば、応仁の乱のことだ、というジョークです。(ブコメ応仁の乱で?と書かれたので追記します)