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アメリカのネオコンも呆れるニッポン人の認識

斉藤貴男氏の著書「戦争のできる国へー安倍政権の正体」という本を読んだ。その中で印象に残った部分を少しだけ。

 

日本経済新聞社がアメリカのシンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)とのシンポジウムを2013年に東京で開いたそうです。
タイトルは「新時代の日米同盟-未来への助走」というものだそうですが、日経はこんなものを催していたのですな。株価と企業の動向だけ報じていろよ、と思うのですが。

 

ところで、そのパネリストにアメリカの知日派、いわゆるジャパンハンドラーのリチャード・アーミテージマイケル・グリーンだとか、ジョセフ・ナイという有名どころが出ていたそうで。
ニッポン側は自民党石破茂野田聖子安倍晋三のお友達、北岡伸一だとか民主党タカ派つーか、長島昭久みたいなアレな人材が出演するという、まあ内容は深化する日米同盟とか、書くのもじゃまくさい、そんなものです。要するにアメリカ様の意向に沿って我がニッポンはポチとしてやりまっせ、ということです。

 

で、このシンポジウムの最後にリチャード・アーミテージ氏(元アメリカ国務副長官)とジョセフ・ナイ氏(ハーバード大学特別功労教授)が特別鼎談をしました。司会進行役の日経・春原氏があらかじめアンケートを取っていた内容を発表し、同時に会場に来ていた聴衆の挙手を求めるという場面があったそうです。

戦争のできる国へ──安倍政権の正体 (朝日新書)

(引用ここから)

あらかじめ参加予定者1800人に実施していたアンケート調査の結果(回答者数は791人)と照合して見せるたび、彼らは、ー 特にアーミテージ氏は ー 苛立ちを隠そうともしなかった。日本人の多くが憲法9条に囚われて安倍政権が進めている路線に否定的だから?違う。逆だった。

― 尖閣諸島の国有化を支持するか。

の問いに対して、アンケートでは84.7%が「支持する」と答えていた。会場でもざっと80~90%が「YES」。

― 日本の集団的自衛権の行使については。

アンケートは79.9%が「支持」。では日本版NSCは、と尋ねられた聴衆のほとんど全員が「支持する」に挙手したとたん、アーミテージ氏は肩をすくめた。「まるでソ連北朝鮮のようだね」

(引用ここまで)

 

このエピソードが物語るものは、ジャパンハンドラー(日本国操り人)と呼ばれ、アメリカのネオコンと言われる人間でさえ、極東アジアの安定がアメリカの国家安全保障政策に有益だという認識を持っているのに。我がニッポン人は・・・、ということですな。*1

しかし、会場に詰めかけた多くの右派(ばかりじゃないだろうけど)の政治リテラシーというか、その辺りのものさしとしても興味深くてアホらしいやら、やっぱりなあ、と脱力した次第。

 

追記:日経新聞もアメリカのご機嫌を損ねないように、忖度をした結果がアンケートの発表だったのでしょうが、逆にジャパンハンドラーも呆れる雰囲気に主催者側として慌てたり困惑したのは想像に難くなくて、喜劇的です。(9/22)

 

*1:全体主義的な有様に肩をすくめたのかもしれません