先日、岡山県玉野市へ行ってまいりました。とくに観光地でもない地方のうらぶれた(関係者の皆さんすんませんね)小都市に何しに行ったかというと、玉野市はわたしが敬愛する漫画家、いしいひさいち先生の出身地でありまして。そこには朝日新聞に連載中の4コマ漫画「ののちゃん」の「ののちゃんち」という全体的に、(の)が多い展示ルームがあるというので、四国くんだりから瀬戸大橋を渡り訪れたという次第です。
ウチから比較的近場ということもあってですね。
潰れちゃったけど大阪のプレイガイドジャーナルという雑誌に「バイトくん」を連載されていた頃からのファンとしては行かにゃならないわけです。
訂正:プガジャに連載されていたのは「御漫画」でした。【アルバイト情報】に「バイトくん」が連載されていました。
でも。
『まぁどうせ、小さいスペースに生原稿だとかプロットノートを展示してるだけのこぢんまりとしたつまらんとこじゃろ』と、思いつつも高い高速料金を払ってまで行かずにおれない、という辺りがやっかいな「ファン心理」というものです。
ところが到着したはずのそこはシャッターが下りていまして。
(移転したんなら移転しましたとか、看板撤去しておくとか)
こりゃおめぇ、おえりゃぁせんじゃろが!と、なんちゃって岡山弁で憤りながら、隣の喫茶店のマスターに尋ねてみる。「あ?ののちゃん?築港銀座があるがぁ、そっちへ移転してるんよ」と、あっさり当方の心配の種を払拭してくれたりするのです。「築港銀座ァ?なんならそりゃ」と半笑いでそこへ向かった。
築港銀座などと大仰なネーミングの割に、いしい先生も漫画に描いているように「閑静な商店街」の一角の雑居ビル(だと思う)にあったのね。
壁面には巨大4コマ漫画が描かれていますな。
10坪ほどの展示スペースは当初想像していた通りの、まあそのなんだ。もごもご、、、
ご本人も時々読めないアイデアノートだとか
ののちゃんグッズが展示してあります。
ファンとしては「ののちゃん」ばかりじゃなくて。
シニカルな、いしいワールドも展開して欲しいところだけど。
文句ばかり言ってますがまあ、なんですな。
せっかく来た記念にお土産を、と思いまして。
どうせ、お菓子やら饅頭などを販売しているんだろうな、と想像してましたが。
ののちゃんのオカンであるところのまつ子が冷蔵庫の残り物や有り合わせをテキトーに鍋にぶち込んでカレーを作ったところ、大変美味しいと家族に大好評だった。けれど、もう二度と作れないという漫画作品のエピソードを模した「まつ子さんの手ヌキカレー」という商品を売っていました。
それを、ふたつ手に取って購入しようとしたところ「2つで800円、3つで1000円なんですけども」という学芸員?さんのあざとい作戦にまんまと引っかかり、要らんのに3個も購入してしもうたけんの。
ほんま、おえまぁが。
(まだ食していないので、ほんとに手抜きかどうかはわからない)
私:「クッキーとか饅頭とかも置いた方がいいですよ」
お店の人:「うーん、そういうのですと賞味期限がありますからねえ」
あら?「まつ子」がというよりも、その姿勢が手抜きなんでしょうか。
とりあえずレトルトカレーを購入して「ののちゃんち」を辞することに致しました。
その後ちょうど昼時ということもあり「メルカ」というか、正式名称は天満屋ハッピータウンというんでしょうか?やっぱり岡山は天満屋ですわ。
そこで昼食を、と妻と訪れた。おそらく1年半くらいはワックス掛けしていないであろう、光沢がだいぶ落ちた(だいたい光沢度40台)ピータイル床の上をうろうろとするが、レストランはおろかフードコートも見当たらないのですな。仕方がないので店舗外に出てみると、表通りに面したところに数軒のお食事処がありますが、あんま食指が動かない。
ふと足元を見るってえと・・。
市役所前の通りには、ののちゃんのマンホール蓋が設置されています。ここの通りのたった4か所らしいですけどね。
見上げれば、おおっ。
その市役所にも、ののちゃんのモニュメントがあります。ほんまに、ののちゃん推しが徹底してますなあ。
向こう側に「釜揚げうどん」の大きな看板があります。
行ってみると。
なんや丸亀製麺やし。
しかも行列もできてるやん。
<いしいひさいち風に描いてみましたw>
そんなこんなの話、ということで。