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労組の忖度を背景に官制春闘がグダグダの失速

共同通信の速報記事から

2016年春闘は16日、主要企業の集中回答日を迎えた。最大の焦点となったベースアップ(ベア)は年明け以降の株安や円高など事業環境の急激な悪化を反映し、自動車、電機が前年実績を大きく割り込んだ。3年連続のベア実施となるものの賃上げのペースは鈍化し、景気回復へ政権が主導する「官製春闘」の失速が鮮明になった。直近の業績を反映する一時金(ボーナス)では、好調だった自動車大手3社が満額回答した。

 トヨタ自動車豊田章男社長は中国など新興国経済の減速を念頭に「経営環境は潮目が変わった」と説明した。

 

これに関して朝日新聞でもこう続ける。

 

焦点:春闘ベア、昨年比大幅減 アベノミクス主力エンジンに失速危機 - ロイターニュース - 経済:朝日新聞デジタル

労使協調の低ベア>

 先行きに懸念を抱いたのは、経営者だけでない。先進国で最も「経営の先行きに敏感」と指摘される日本の労働組合が、要求段階で昨年の50%水準に「切り下げ」を断行したことも大きく影響した。

 

少し前に、『労組が交渉力を無くしたのはイデオロギーばかりで労働者のために活動していないからだ』みたいなブコメがあった。労組のイメージとしては若年層を中心に、例えばメーデーでの憲法を護れ、だとか辺野古沖移設反対など、そんなものばかりだという指摘がよく見受けられるのだが、それは少し違うと思う。この春闘だけを取り上げてみても上記の朝日新聞の記事にあるように、労組が先行きに懸念を抱き要求基準を昨年の50%に切り下げる「経営を慮る」というか「忖度する」というか。労組そのものが賃上げを自主規制してしまうという背景が大きい。

厚労省の毎月勤労統計調査から)

毎月勤労統計調査 平成26年分結果速報|厚生労働省

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(平成22年を100とするグラフ指数)

このように実質賃金は下がり続けの実態に、それでも御用組合は忖度する。会社が潰れれば元も子もないなんて、いまどき労使協調しようが倒産するものは倒産するのだ。昨今の大企業経営陣の無能さが発端となる経営危機を見ればわかりそうなもの。
春闘はお手上げ、非正規雇用に関係する最低賃金アップにも及び腰。

 

最低賃金を引き上げるべき理由 - himaginaryの日記

労組が交渉力を失ったのはイデオロギーばっかりだから、というのは違うね。日本の場合企業内労組が主流で「労使協調」という名の御用組合化だからだよ。

2016/03/11 12:28

 

企業内組合が労使協調の果て、御用組合ばかりになってしまい交渉を放棄しているようなもの。
では、そんな体たらくの労組を尻目に安倍首相が「ワタクチの内閣が」と企業に賃上げを要請したわけだが。

 

安倍首相「2度あることは3度ある」、官民対話で大幅賃上げ要請 - ロイターニュース - 経済:朝日新聞デジタル

安倍晋三首相は4日、経済界と意見交換を行う「官民対話」で、「2度あることは3度ある。過去2年の大幅賃上げの流れをさらに進めていただきたい」と述べ、企業側に賃上げを強く求めた。

 榊原定征経団連会長はこれに対し、「3度目の流れを実現できるよう呼びかけを継続していきたい」と応じた。

 

そのような安倍ソーリの要請も効果なく。
どうせ言ってみただけ、の官制春闘と揶揄される。
株式相場は年金ぶちこみ株高を演出しようという官制相場だし。なんでも官制だという指摘は、結局安倍政権の権勢浮揚ばかりを狙った、見かけばかりの張りぼての舞台セットみたいなニッポン社会。


見せかけだけの経済優先で、政権支持率を維持しつつ参院選で勝利しその先にある憲法改正だけしか頭にないタカ派現政権の企みでしかない。
そのような意図を経済界も知っていて安倍が賃上げの流れを推し進めていただきたいと投げかけ、労組の忖度を背景に経団連が実現できるよう、などと応じるという段取りミエミエのプロレス春闘だった。