武力行使の後方支援する場合は安全な場所を選らんでお届けします

6月17に行われた党首討論において、聞いているこちらが恥ずかしくなるような、惨憺たる首相の発言があった模様です。
もうそれは梅雨の長雨にぬかるんだ、ぐちゃぐちゃの様相を呈していて聞くに堪えないと申しますかね。

 

(笑)いしいひさいち商店土間 HPより

漫画HP20150422A183

 

漫画

 

このように、すでに2006年、敬愛するいしいひさいちさんが見事なまでに喝破しています。この後のわたしの駄文は不必要と言っていいほど(まあ、そう仰らず)です。破壊的な説得力を持つ2コマ漫画ですw

 

 「武力行使と一体でない後方支援」 世界で通用しない/党首討論 志位委員長の発言

 

上記リンク先、しんぶん赤旗の6月18日の記事を読みますと、志位委員長との党首討論の模様が載っています。
志位委員長が先の代表質問において「武力行使と一体化しない後方支援というものは世界で通用しない」と言ったのに対して、「指摘には当たらない。世界で通用する」と言っていたではないか。過去の政府答弁では通用しないと答えている、どうなんだ。と、矛盾を突きます。


概略で書きます。

志位:国際法上一体化しない、などという概念というものは有るのか。

 

安倍:いや、憲法の概念としての関係を述べたものでして、国際法上の話はしてません。

 

志位:じゃ聞くが、99年、当時の外務省・東郷局長は武力行使の一体化という国際法上の概念が存在しません、と答弁しているではないか。武力行使と一体化しないなどと言う議論そのものが存在しないではないか。

 

ここからはそのまま引用します。

 (引用ここから)

 首相 先ほどですね、私はまさに、国際法上の概念ではなくて、憲法との関係で一体化しないという話について申し上げたわけでありますから、東郷局長もその考え方と同じ答弁をされているわけでございます。

 そこで、志位委員長とですね、私は、この世界の常識等々について議論したということは、必ず兵站は狙われるという議論のなかにおいて、必ず、いわば戦闘に巻き込まれるという議論の中において、質問があったわけでございますから、私はそうではなくてですね、兵站というのは極めて重要であり、いわば兵站においていろんな物資を届けるわけでありますから、そこがもちろん脆弱(ぜいじゃく)性があるわけでありまして、だからこそ安全な場所を選んで、そしてその届ける物資が奪われてしまってはですね、まさにこれは大変なことになるわけでありますから、だからこそ、われわれはそうはならない場所を選んで後方支援をしていくということについてお話をさせていただいたわけでございます。

 

 志位 兵站は安全な場所を選んで行うとおっしゃいましたけれども、兵站は軍事攻撃の格好の標的になる。軍事の常識です。そして、自衛隊が兵站をやっている場所が戦場になるんですよ。

 私が聞いた質問にお答えになっていない。「一体化」論というのは、世界で通用しない議論だとお認めください。いかがですか。

 首相 つまりこの、この、「一体化」論というのはですね、これはもう従来から答弁をしているように、憲法との関係において「一体化」論をわれわれはとっているということは申し上げているとおりでありまして、これは国際法上、それが「一体化」論というのが通るということを私が申し上げたことは一回もないわけでございます。

 その中においてですね、その中において、このいわば後方支援をどのように実施をするかということについて、これは必ず戦闘に巻き込まれるわけではない、必ず戦争に巻き込まれるというご議論がございましたから、そうではなくて、われわれは、むしろ、こうした物資を届ける場所、大切な業務ではありますが、大切な物資を届けるからこそですね、安全な場所で相手方に渡す、これがいまや私は常識ではないかと、このように申し上げたわけでございます。

(引用ここまで)※赤字ボールドは筆者

 

憲法としては、一体化は有るけども国際法上はありません、などと愚にもつかない逃げ口上をのたまいます。さらに、ここからですが。
後方支援する場合には安全な場所を選んでお届けいたします、などと、ちょっと聞いてるこちらの耳を疑うようなことをしどろもどろ、意味不明な弁をグダグダと言うのです。

 

・・・アンタね。
まさか小学校の登校経路じゃあるまいし。
交通量の多い国道を避けて裏道から通り、国道を横断するときには歩道橋を渡って学校へ行きましょうね!という訳じゃねえだろ。
どこぞの世界に、前線に武器や弾薬その他の輸送を安全な場所を選びつつ行える、そんな後方支援があるのか。
冒頭のいしい画伯が言うように、ほんに出来が悪い。

 

とは言え揶揄ばかりしていても仕方がありません。
出来の悪い首相ですら、強行採決という手段だけは知っているようです。数を頼んで大阪市長の橋下との謀略も巷間言われています。維新の党と組んで強行突破されるという危惧は、こうやって野党党首にやり込められ、やられるほど確率が高くなるかもしれません。


蟷螂の斧だけど、無名の市民としては場末のブログでこうやって、発信し続けるしかない、といったところです。