非正規雇用の独身の孤独と絶望

35歳~54歳の子どものいない独身女性が困窮と孤独に苛まされているという朝日の記事を引用します。

 

非正規・独身…孤立し困窮する女性たち、切実な実態調査:朝日新聞デジタル

非正規で働く、子どものいない35~54歳の独身女性が、困窮し孤立している実態が、公益財団法人「横浜市男女共同参加推進協会」などの調査でわかった。「病気になったら生活が破綻(はたん)する」「1人で老後まで生活できるか不安」。さまざまな支援策からも漏れ、寄せられた声は切実だ。

現在の年収は「150万円以上250万円未満」が4割。「150万円未満」の人が3割で、年齢が上がるほど比率が高かった。

 現職の契約期間は1年未満が4割余。3割が仕事を掛け持ちしていた。非正規職に就いている理由は「正社員として働ける会社がなかった」が6割を超えた。

 「親の介護で貯金を使い果たした」(54歳)「いつまで働けるかわからず、元気なうちに死にたい」(42歳)など、収入や雇用継続への不安が多く聞かれた。

 仕事につながるスキルアップのほか、「孤独」「居場所がない」として、同じ立場の人との交流や相談の場を求める声もあった。

 

ここ2本ほど続いたエントリーに関するけれども、非正規雇用の中年女性層もやはり「正規の雇用がない」という理由が6割を超えます。
「いつまで働けるかわからず、元気なうちに死にたい」(42歳)との壮絶な孤独感と果てしない絶望にはかける言葉を失う。
アンケートでは、老後の心配や仕事の悩みなどがそれぞれ8割を超え、そのほかに親の介護など、独り身の女性の肩にその多くがかかってきて。
ただ、正規雇用になったとしてもすべての問題が解決されるわけではないことも当然ですが。

 

この記事に関するブックマークコメントが考えさせられました。

 

そして忘れさられる恵まれないおっさん達。/これは自由と自立の代償なのか?

身につまされる。すぐそこにある現実。とはいえこれを避けるために男という意味不明な生き物と暮らすのはごめんだ。 

 

非正規の独身男性にも同じような不安や悩みがあるのは明白で、上のコメント主は男性だろうし。
下段のコメント主はおそらく女性であろうか、けれどもだからといって男性と暮らすという選択肢はまっぴらだ、という意思が感じられます。

 

私も独身時代に親がうるさく言うもんだから婚活サービスに登録したことがあった。当時で40万弱の会費を支払った。しかもそのサービスでは結婚にたどり着けなかったし。つまりドブ銭だったわけ。
金を支払ってまで婚活をするという男女がどれくらいいるのか分からないが、雇用のミスマッチと共に結婚のミスマッチかもしれない。

 

自由と自立の代償なのか?というコメにあるけれど。
自由と孤独はふたつでセットという歌詞があったかのように記憶していますが『ひとり口は食えずともふたり口なら食える』という古い言い回しだけでは片付かない切実な問題が横たわっていて。
でも、そうしたこともまた現実として言えるのも確かかな、とも思うけど。オッサンとしては。

 

 安倍政権が1億総活躍などとお題目さえ唱えれば、私の責任は果たした、なんていう言いっ放しの政治に放置されるのはこうした暗澹たる現実でしょう。

 

 

 

                    

「正規の仕事がない」との理由が減少した原因?

前エントリーが久しぶりに多くのブクマを頂き、恐悦至極でございまして。
コメントも頂いたのでそれに関してのエントリーを書こうと思います。

■id:takonohamajp

データの扱い方がどちらも恣意的すぎる?
【男性では「正規の職員・従業員の仕事がないから」が前年同期に比べ9万人減少】労働力調査(詳細集計) 平成27年(2015年)10~12月期平均(速報)結果

■id:wrr

確かにデータの扱い方がちょっとだめですね。正社員自体は人口構造の歪みから減ってくので正規雇用比率でみるといいです。安倍政権以降生産年齢人口での正規雇用比率は高まってます。非正規雇用が増えたのも主に就職弱者、特に高齢者が働けるようになったからで円高時の就業率の低下と円安時の就業率の上昇、世代別で見れば65歳以上だけが非正規比率が高まってますね、ほかは低下に転じてます。

 

お二方コメントありがとうございます。
takonohamajpさん、前年同期に比べて減少したという点は評価しなければいけません。しかし、wrrさんのコメントにも関係するのですが、その減少に転じた原因がどこにあるのかというものです。「改正高齢者雇用安定法」だとか企業の定年延長再雇用制度などが俎上に上がってくるのかもしれません。

 

というのも、高齢者や定年延長による再雇用などの非正規雇用者は正社員だったか、あるいは初めから正規雇用を求めない傾向にあるものと思われます。wrrさんが言及されていますように、65歳以上の非正規率が高まっていることを踏まえると、そういう制度が「正規の仕事がないから」という理由の減少である可能性が高いと思いますが。
そのことに関した『東洋経済オンライン』の記事を見つけましたので以下引用します。

非正規雇用比率「4割大台乗せ」の正しい見方 | 就職・転職 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

ポジティブな非正規雇用が増えている

つまり、4年前と比較して「非正規」の割合が増加したことは確かだが、追いつめられた労働者がやむを得ず、というステレオタイプな「非正規」のイメージとは異なり、法によって企業に義務づけられた制度により、労働者にとってポジティブな「非正規」雇用が増加している可能性が高い。

「改正高年齢者雇用安定法が、非正規割合を押し上げた一つの原因と言えることは確かだ。昨今の景気の回復によって、65歳以上の就業割合は上昇傾向にあることを示している。メディアでは少し歪められた形で報道されているのではないか」(厚生労働省雇用・賃金福祉統計課 山口美春氏)

 

このグラフを見ると、25~54歳男性では、やはり圧倒的に「正規の職員・従業員の仕事がないから」という理由がダントツです。この記事の後半部分を少し引用します。

高年齢者雇用安定法も、結局もともと正社員だった人だけが恩恵を受けられる仕組み。順調に正社員を続けてきた人と、レールから外れてしまい従来から非正社員だった人との間で、「非正規」の枠の中でも、格差が生じる状態になってきているということが、本質的な問題なのではないだろうか。

 

順調に正社員を定年まで勤め上げた高齢者と、これから、という25歳~54歳の働き盛りの男性が「正規の仕事がないから」というのとでは雲泥の差があると感じますが。なにしろ「2014年1年間に非正規労働者に支払われた給与総額は正社員の12%にとどまる。(日経新聞の社説より)」という給与の格差が厳然としてありますから。
正社員だった人が定年を迎え再雇用となった場合には正規従業員としての雇用は求めないだろう、というのが概ね正しいのではないでしょうか。

 

長谷川幸洋氏だけじゃなく、この雇用統計は総務省厚労省そのものが恣意的な数字を出しているなあ、と感じた事です。そもそも非正規雇用の男女の数字を合計していること自体が変だなと思ったからです。
家計の助けになるから、夫の配偶者控除を受けながら103万の壁でパートとして働く非正規雇用女性と家計の大半を稼ごうとする非正規雇用男性の問題点は大きく違うと思うわけです。

 

 

ところで記事とは関係ないけど。
エクセルなどのデータをはてなブログに張り付けられるんですかね。
前エントリーを書いている時、無知なものでデータをプリントアウトして、それをスキャンして画像として取り込んだりしましてね(苦笑)ですからグラフの色が微妙な感じでしょw

アベノミクスで雇用が増えた、そして非正規を選んだ理由は「都合のよい時間で働きたい」などと印象操作が姑息

安倍晋三シンパの東京新聞長谷川幸洋氏が次のような記事を書いています。以下引用します。

gendai.ismedia.jp

2015年10〜12月期の国内総生産GDP)が年率換算でマイナス1.4%になった。一方で、昨年は「正社員の増加数が非正規の増加数を上回った」という明るいニュースもある。景気はこれからどうなるのか、そして安倍晋三政権はどうするのか。

まず、先に発表されたGDPの数字を確認しよう。

10〜12月期のGDP速報値(http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/gaiyou/pdf/main_1.pdf)で注目されたのは個人消費の弱さだった。なぜかといえば、個人消費が増えていると、家計が先行きに安心感が抱いている証拠になる。だから先行きも明るいとみていい。しかし逆に弱いと、家計が将来に不安を抱いているのだから、先行きも暗いという話になる。

よく個人消費の強さ、弱さを天気のせいにする解説がある。役所もそう説明するから、もっともらしく聞こえるが、それが本当なら天気予報を見ていれば、景気の先行きも分かるという話になりかねない。天気予報士の景気見通しが当たるのか。ビールの売り上げには関係あるかもしれないが、私は天気と消費、マクロ景気の相関関係をあまり信用していない。

 

軽いジャブとして、まずツッコミどころは個人消費の弱さを天候のせいにしたのは石原伸晃経産相ですから、そっちへ文句言え、と指摘しておきますわ。

 

そんなことよりも、この人の印象操作が酷いと思われるのが雇用労働調査の次の部分。

 

そこで非正規雇用をみてみよう。野党はとかく「非正規=かわいそうな労働者」というイメージで非正規労働を論じるが、非正規雇用者2015万人のうち、7割の1414万人はパートやアルバイトである。

よく問題になる派遣社員は133万人にとどまっている。非正規全体の5%強だ(15年10〜12月期労働力調査http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/4hanki/dt/pdf/2015_4.pdf)。

しかも、2015万人の非正規のうち「自分の都合のよい時間に働きたいから」という人が26%、「正規の職員・従業員の仕事がないから」という人が15.9%である。非正規の労働条件改善はもちろん重要だが、ここは事実として抑えておくべきだ。15.9%の部分をどうするか、が課題の焦点になる。

2月16日に発表された15年暦年の労働力調査http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/dt/pdf/youyaku.pdf)によれば、役員を除く雇用者は5284万人で前年に比べ44万人増えた。安倍晋三政権が誕生した12年は5154万人だったから、130万人の増加である。

「3年間で130万人の雇用増加」という結果をみれば、これだけでアベノミクスの成功を物語っていると言っていい。経済政策のもっとも重要な目的は雇用の確保である。

 

胸を張って130万人増えたと、ドヤ顔で書いているけれど。


【editor 月刊誌「KOKKO」編集者・井上伸のブログ】さんからグラフをお借りしました。確かに総合計では130万人増加しているが正規非正規別に分けると下記のようなグラフになります。

 

editor.fem.jp

このように、雇用統計の内訳上は正規雇用が27万人減って、非正規雇用が167万人増えてる事になっているのだけど。


上記の雇用統計から私もグラフを作成した。グラフの中で「自己都合」という系列は【自分の都合のよい時間に働きたい】というもので、女性が男性の141万人の倍以上、353万人が「自分の都合のよい時間に働きたい」と非正規を選んだ理由を述べている。

 

f:id:hatehenseifu:20160220132215j:plain

    (上のグラフの単位は万 下のグラフの縦軸は%)

長谷川氏は非正規雇用者数は男女合計の2015万人という数字を取り上げて都合のいい時間に働きたい、というひとが26%もいるんですぜ、自分勝手だねえ、と言いたいようです。


これはどういうことかと言うと、つまり女性の非正規雇用はパートが圧倒的に多いわけです。そして当然兼業主婦が多く含まれる。となると自分の都合のよい時間に働きたい、となるのは当たり前の話ではないのか。
主な働き手である男性は、『正規の仕事が無いから』と言う理由が25%近くの人です。


それをごちゃ混ぜにして、みんな勝手な理由で非正規を選んでる、だからそれは自己責任でしょ、なんて言いたいわけでしょうね。
そして『ここは事実として抑えておくべきだ』などと、底冷えのするような嫌らしい言い方をするのです。


ようするに、男性の非正規雇用者数641万人と女性の1374万人という、分母が二倍あるような数字で論じるのは如何なものか、と私は思いますがね。

結論として。

やっぱり、またハセガワか、と言わざるを得ない訳です。

 

会話のカイワがないな

実はひと様のネタだけど、ツイッターでのこういう流れから、久しぶりに「会話」をやってみたくなりまして。

 

 

A:僕たち、なんか変なとこに来ちゃったね。

N:うん、そうだないつものブログじゃないよな。
 まあでも、だいたい俺は話ができないんだけどな。

A:そんなことより大変だよ、うちの議員をひとり失っちゃった。

N:ああ、ゲスいとか言われている不倫騒動の宮崎謙介の辞職の件な。
まあ、しかたが無いだろう。

A:本人はハニートラップにかかった、と言ってたよ。

N:ホイホイのっちゃう方が悪いんだよ。
あ、そういう意味じゃないぞ。

A:中川くんも上手いこと言うね。じゃやっぱりあれかな、宮崎君は月にかわってお仕置きされたのかな。

N:それはキューティハニーだろ。

 

A:いや、セーラームーンだってさ。すぐツッコミが入るはてなブログっていやだね。

 

N:そうだな。アウェー感満載だな。(赤字は追記)



A:でも、奥さんがお産でいない時に自宅に連れ込んじゃいけないよね。やるんなら別の所でしなきゃ。



N:そっちかよ。



A:せっかく北朝鮮が事実上のミサイルを打ち上げてくれて、国民の目を逸らしてしてくれたのに。マスコミは余計なことに僕たちの都合の悪い事ばかり報道するね。

 

 

N:けど、ミサイルはマスコミも大騒ぎしただろ。

 

 

A:でもおかげで、甘利大臣がポケットにお金をナイナイしたのは上手くごまかせたけど、その後次から次へと問題が持ち上がって責任者は大変だね。

 

 

N:丸川環境大臣被曝線量の規制は根拠がない発言とか、高市総務大臣の電波停止発言だとか。

 

 

A:それだけじゃないよ。パンツ盗んだのにいまだに辞めないで堂々と大臣やってるのもいるよ。それと自分が担当している島の名前の「歯舞」を読めない人だとか。名前がシマウリなのにね。僕なんか、ツボを売っちゃって大笑い。

 

 

N:それを言うなら「ツボにはまる」だろが。責任感ゼロだなまったく。
しかも名前は島尻だよ。

 



A:それはシリませんでした。
ここだけの話だけど、あれはどうみてもロケットだね。僕がメディアの皆さんと一緒に寿司を食べて「事実上のミサイル」と報道するようにお願いしたんだ。



N:それは、お願いというのか。



A:うん、どちらかというと恫喝かな。



N:報道が委縮するとか言われてるぞ。



A:TV局は電波を停止すればOKだし、あとは委縮していない日刊ゲンダイと、あとネットではリテラがうざいね。事実上のミサイルを撃ち込んで貰うようにお願いしようかな。うつくしい国の完成まであと一歩だからね。



N:いったい誰にお願いすんだよ。本当にいいかげんにしろよな。

 

私のなんかと違って秀逸な本家の元ネタはこちら

 

ch10670.seesaa.net

 

【正規・非正規】労働者の賃上げと待遇改善は当然の話

ネットで見たが、期せずして沖縄の地方紙「琉球新報」と「日経新聞」がそれぞれ非正規雇用の待遇改善の社説を書いている。

<社説>正社員求人27% 非正規雇用に歯止めを - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース

企業は人手不足の解消を、安く不安定な労働力に頼るのは得策ではない。求職者を正社員として雇用する方が、企業と社会の活力につながるというメリットにもっと目を向けてほしい。国も非正規化に歯止めをかける雇用政策を積極的に打ち出すべきだ。
 沖縄労働局の調べによると、県内企業の2015年の正社員求人割合は27・6%で、全国の41・1%を13・5ポイント下回った。一方、15年の月間有効求職者数(月平均)のうち、正社員を希望する人は全体の72・3%を占めている。
 企業に注目してほしいのは、沖縄の年齢別の人口構成だ。働き手世代を示す「生産年齢人口」(15~64歳)が全人口に占める割合は、00年の国勢調査から低下し始めている。15年は00年に比べ7・2ポイント減の60・7%。35年後の50年には51・5%まで低下すると予測されている。逆に高齢人口(65歳以上)の割合が高まっている。
 このため、働き手世代が子どもとお年寄りを扶養する負担度が重くなり続けている。既に沖縄は、財政と経済成長に影響を及ぼす局面(人口オーナス)に移行しており、これからどんどん深刻化していくと見込まれている。
 さらに、働き手世代のうち非正規労働者の割合が増えている。厚生労働省が昨年11月に発表した調査結果によると、パートや契約社員派遣社員など正社員以外の労働者の割合は40・0%に達した。とりわけ深刻な問題は、35歳から54歳の働き盛りの世代で非正規労働者が増えていることだ。
 非正規は年を重ねても給与の上昇は見込めない。低賃金で預金もできない。健康保険や厚生年金に未加入の人も多い。非正規が増えると消費は落ち込み、企業はモノを売りたくても売れず景気が冷え込む。将来が不安で結婚に踏み切れず少子化が一層進む可能性もある。悪循環だ。

(赤字ボールドはブログ管理人による)

 

沖縄県にも、下記にリンクしたように各種雇用促進奨励助成金が有るにも拘らずこのありさまだ。

沖縄若年者雇用促進奨励金|厚生労働省

 

賃金が低い→生産性も上がらない→企業の業績売り上げも低迷→賃金が抑えられる→消費が不振→景気低迷、の悪循環はまさにその通りだろう。

 

次に日経の社説から引用

生産性高め非正規の賃上げを :日本経済新聞

 デフレ脱却を前に進めるために期待されることの一つが、パートなど非正規で働く人たちの賃上げだ。今年の春季労使交渉では非正規社員の待遇改善が例年以上に注目される。その前提となる生産性向上の手立てについて企業の労使は議論を深める必要がある。

 総務省労働力調査によれば非正規で働く人は昨年12月に2038万人に達している。雇用されている人の38%を占める。だが国税庁の調査では2014年1年間に非正規労働者に支払われた給与総額は正社員の12%にとどまる。賃金水準が正規と非正規で大きな開きがあることを示している。

 (赤字ボールドはブログ管理人による)

 

非正規雇用は経験を積み、スキルが上がったとしても給与はそのまま、或いは経済状況如何によっては賃下げもあり得る。さらに契約期間をたてに解雇も簡単に行えるわけだ。正規社員なら賞与などもあることから年収の格差は広がるばかり。【2014年1年間に非正規労働者に支払われた給与総額は正社員の12%にとどまる。】だそうだし。

 

人件費を「労働コスト」などと称し、削減することだけに血道をあげてきた近視眼経営しかできないニッポン企業。生産年齢人口の減少から人手不足に陥り、慌てて時給を上げたり非正規を正規雇用に移行するだとか、あの手この手のドロナワ対策。まあ、要するに、今までは「雇ってやってるんだ、仕事があるだけありがたく思いな」てことだったんだが。代わりは幾らでもいるとかね。
戦時中に言われた一銭五厘でいくらでもいる、などという思想が抜け切れないのか。

 

日経の社説は安倍政権肝いりのデフレ脱却を進めるために、という辺りみたいだ。
投資家・経営者側の視点で語ることが多いニッケイが、何を今さらな感があるこのようなことを言い出す理由は、パソ中平蔵が言及したように、日経もトリクルダウンは無いとようやく分かったか(笑)
消費税上げたのが一番の「アホノミクス」だけれども、年金ぶっこんで株価上げても一向に実体経済は上向きになってこない。ニッケイなんかがおっとり刀で、つけ刃みたいな社説を書いたりして。

 

ところで上記にリンクしたように沖縄県だけじゃなく、事業者は人を雇い入れるときに国や地方からの雇用奨励金や、雇用調整助成金などが各種ある。
しかし、その雇用政策が現状にフィットしていれば待遇などが良くなったりする筈なんだがね。煩雑な申請や手続きを嫌がるのも一因という感じか。
であればせっかくの補助金助成金も画に描いた餅。
正規雇用を増やしたり、非正規の待遇改善をした企業にはてっとり早く消費税納税額を減額するなどの奨励策をする方が、消費税の食品の軽減率なんかで富裕層にも恩恵を与えるより、よほど有意義な軽減策だと私的には思うが。
消費税撤廃(もしくは3%に戻すか)が持論であることに変わりはないが。
・・と、所得税の累進強化です。

 

 

 

 

ほんとに気軽に休める社会だとか企業であってほしいもの

気軽に休める社会を:朝日新聞デジタル

他の先進国と比較して、日本の外来患者数はかなり多いです。医療機関へのアクセスが良く、気軽に受診できるのは利点ではありますが、仕事を休みにくいことの裏返しかもしれません。

いろいろとご事情はあるとは思いますが、風邪をひいたら受診するよりも気軽に仕事を休める社会のほうが望ましいと思います。学校でも、皆勤賞を表彰するだけでなく、体調が悪いときは休んでもいいこと、そのほうが本人のためにも他の人のためにもなることを教えてもらいたいです。

 

風邪程度で会社を休みにくいという、そんな風土があるのは否めないようです。インフルエンザなら出勤停止、という措置をとる企業も増えてはいるようですが。

 

しかし、企業によっては病欠での有給取得を認めないところもあるようです。これは法律違反ではないそうだ。
でも多くの企業が通念上認めているものを、とことんケチくさい企業の代表という感じがします。法違反ではないかもしれませんが、その他の部分で法令を無視している確率は限りなく高いと言えるかも。

 

従業員に突発的に休まれると困る、というのは私も実感しています。けれども突然の不幸で休まなきゃいけない事情もある訳だし。
ま、でも「あ、こいつ今日は仮病だな」というのは電話での応対で判るもんですがねw(言いませんけども)。
よほど重篤な病気や連絡が不可能な場合を除いて、本人が連絡するのがスジというものでしょう。以前にあった話で、実際に母親だとか祖母などが風邪を理由に休みの連絡をしてきた時には「おまえは小学生か!」と、心の中でムカつきましたが(笑)

 

ところで、有給休暇はどんな理由であろうと、取得に制限はないわけです。会社側にあるのは有給取得に関する時季変更権があるだけです。その従業員が休むことで担当者が誰も居なくなり、業務に支障をきたすという明らかな理由がないとその変更権も行使できないといいます。ですから前もって何日に休みたい、と申請した時、ただ単に「忙しいから駄目だ」というような企業はだめでしょうな。

 

労働基準法

第39条

使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。

(中略)

 使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。

第136条 使用者は、第39条第1項から第4項までの規定による有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない。

 

冒頭の記事の中で「皆勤賞」という言葉で思い出したことがありまして。皆勤賞だとか精勤賞という給与名目が有る企業の場合は有給休暇取得によってそれが減額されたり、或いは削除されるというのは明らかな労基法違反です。上記の附則136条の部分です。
賃金その他で不利益な取り扱いをしないようにしなければならない、のですから。

 

 

朝日新聞 給与削減か?というニュースに関する雑感

朝日新聞が従業員給与の削減を検討している、とのこと。

朝日新聞、とうとう給与削減? 高すぎる人件費に経営は大丈夫か (THE PAGE) - Yahoo!ニュース

 朝日新聞は、従軍慰安婦報道などで批判を浴び、読者離れが進んだといわれています。2011年3月期には約780万部だった販売部数は、年10万部のペースで減っていました。しかし、報道に対する批判が集中した2014年から2015年にかけては、60万部も減少する結果となり、現在は約680万部となっています。

 新聞社の経営は、部数に応じた販売代金に加えて企業からの広告収入で成り立っています。部数が減ってしまうと、広告の価値も減少してしまいますから、新聞社にとってはダブルパンチとなってしまいます。部数が減っているのは新聞業界全体の傾向ですので、朝日新聞に限った話ではありませんが、一連の批判がより多くの部数減少につながった可能性は否定できないでしょう。

(中略)

朝日新聞がそれでも給与の引き下げを実施するのは、人件費の比率が高いからです。朝日新聞には現在、約4000人の社員がいますが、平均給与は何と1200万円を超えています。人件費は年間500億円に達しており、これを削減すれば財政状況はかなり好転します。

 

果たして、従軍慰安婦の問題が部数を減らした原因なのかどうか、私はかなり懐疑的に感じているけれど。ただ部数が減少しているのは間違いない事実だろう。それは「押し紙」の雄、ゴミウリにしても同じ傾向だろうし。若者だけじゃなく新聞離れが叫ばれて久しいからだろう。ウチでも新聞の購読をやめて7~8年になる。

 

しかし、新聞会社の従業員の給料は高い、と感じるのは庶民として当然の感情ではないか。なにしろ、平均年収1200万とくれば立派な勝ち組企業。弱者や貧困層に寄り添う気持ちが(本音の部分)で持ち得るとは思えない。いや、そんなことはない、と当然反論されるだろうけど。


以前に朝日新聞がネットサービスのひとつとして「アスパラクラブ」というサイトを運営していた(現在は跡形もない)。そこには色んな記事があったが、労働問題グループが立ち上げた「はた楽 はたら苦」というコラムによくコメントを書き込んでいた。この当時の朝日新聞は、竹信三恵子氏が編集委員として「派遣労働問題」を取り上げて、それが世間一般に広く認知されだした時期だ。

 

当然と言えば当然だろうが、同サイトには「ヨクバリージョ」などと銘打った朝日新聞女子社員の、今で言うところのキラキラ女子みたいな、とことん脳天気記事があり、よく憤慨しながら読んだものだ。そのコラムが朝日新聞の社長賞を受賞した、ということがあったり。
派遣労働者の深刻な問題を上げる一方で、てめえらそんな優雅な生活をしているのか、と思うと低所得労働者である私のルサンチマンが刺激されたものだ。

 

高給で遇することが悪いというつもりはない。
けれども、記者個人の資質にもよるだろうが、高所得エリート意識だらけの「オイラ勝ち組だぜ」という記者が書く記事の傾向がどんなものになるか簡単に想像がつくだけに、脱力感と共に憤懣がやるかたなかったりする今日この頃だ。