なにが高度プロフッショナルだ。残業代ケチるようなセコイ考えのくせして【残業代ゼロ法案】

安倍晋三ほど執拗な性格の男はいないのではないかと思う。
再チャレンジというよりも、再リベンジしてんじゃないのか、と思うくらいです。

お腹が痛くなって辞めるまでの、前回の首相時代に出していた「ホワイトカラーエグゼンプション」を名称も新たに「高度プロフェッショナル労働制」という残業代ゼロ法案厚労省が骨子案として出してきたそうです。


 東京新聞:年収1075万円以上が対象 「残業代ゼロ」厚労省骨子案:政治(TOKYO Web)

 

 厚生労働省は十六日、労働時間ではなく成果で評価する「残業代ゼロ」制度の報告書骨子案を労働政策審議会分科会に示した。新制度の対象者を年収千七十五万円以上の専門職と規定。長時間労働防止策と働く人の健康を守る対策も盛り込んだが、長時間労働を助長するとの立場を取る労働側は反発。年収や対策の要件をめぐり、経営側と対立する場面もあった。厚労省は今月中に分科会の了承を得て報告書を決定し、次期通常国会に関連法案を提出する考えだが、調整が難航する可能性もある。 (鈴木穣)

 骨子案によると、制度の名称は「高度プロフェッショナル労働制」。対象は高度な専門職で「金融商品の開発」など銀行、証券、情報通信、製薬などの業界を想定する。働き過ぎを防ぐため、経営側が労働時間を把握し(1)終業から始業まで一定の休息時間を設ける(2)会社にいる時間の上限を規制(3)年百四日以上の休日取得-のいずれかの対策導入を条件とした。

 分科会では、対象者を増やしたい経営側の委員が年収一千万円以上への引き下げに言及。「一千万円の人でも(会社側と労働条件について十分な)交渉力があり、問題ないのではないか」と発言すると、労働側は「値切り交渉か」と激しく反発した。制度が始まれば、いずれ年収要件が下がって対象が拡大すると懸念しているためだ。

 ある労働側委員は「一千万円の根拠が分からない。年収要件や職種、業務範囲などの対象者の規定を省令ではなく(変更には国会での法改正が必要な)法律に規定すべきだ」と主張。別の委員も「首相は働き方によって賃金が減らないようにすると発言している。賃金が減らないように適切な処遇の確保を」と注文した。

 働き過ぎを防ぐ三つの条件をめぐっても、経営側と労働側は対立した。労使とも、働く人の過重労働規制や健康を守る対策の必要性は共有するが、労働側は三つのうち複数の対策を義務付け、確実性を高めるため法案に明記するよう要請。経営側は法案には書かず、いずれかの選択制にすることを省令か指針で定めるとした骨子案を支持した。

長時間労働を助長するという反対意見ももちろん分かるんですが、それよりもその後のことです。野党の体たらくぶりを眺めていると、早晩この法案が成立する可能性も限りなく大でございまして。そんな政権を選ぶ選挙民もアホといやアホですけれど。

 

しかしまあ、「高度プロフェッショナル」などと、ヒトを舐めた表現をすることで、この法案の対象者の自尊心をくすぐる意図なんでしょうか。
つまり、プロ労働者と言うのかね。一部の人間が「プロ市民」などと揶揄するように言えばさ。

年収1075万円という所得の対象者は全体の3.9%だそうです。
ですから、低所得者(私みたいな)やビンボー人の皆さんは逆立ちしたって届きっこない数字ですから安心してください、とでもぬかしたいのだろうか。

 

1000万円もの高給取りだとほとんど管理職だから今現在も残業代貰ってないんじゃねーの?という向きには、経営にかかわる重要な決定をできるような管理監督職以外のフツーの管理職は残業代が発生するという労基法があるんだそうですよ。

管理職は残業代ナシが当たり前? [仕事・給与] All About

                 

「ちきりん」さんという、おばはんが通勤費を無くせと喚いていましたが、皆保険制度も無くせとか今度またぬかしているんで。まあ、あのオバハンはこの残業代ゼロ法案なんか諸手を挙げて賛成でしょうな。以前は奥谷禮子さん、というオバハンが日曜祝日もいらない、とほざいていたからなんか、そういう宗教でもあるんでしょうか。「なんにも要らない無くせ教」とかw

 

それはさておき、この法案が成立した後の制度の変更などは、国会に諮らずにできる「省令か指針」などと、お手軽に改正(改悪)できるような制度設計で、顔色を伺いながら、鉛筆舐め舐め経営側をオモンパカる答申内容になっているそうです。

 

思い出してほしいのが派遣法の変遷です。

労働者派遣法が1985年に成立した時は対象業種が13業務のみ、というポジティブリストだったのに、14年後の1999年には除外業種(港湾荷役・警備業など)以外は派遣OK(ネガティブリスト)になって、しまいにゃ、製造業にも派遣(3年間限定)がOKとドンドンなし崩しに。

 

企業の国際競争力だとかを錦の御旗に労働者に不利益を覆いかぶせるばかりのそんな姑息なやり口はこの国の常套手段ですね。

この残業代ゼロ法案も、いまの1000万円という規制が何時のまにやら例えば【500万円以上の年収対象者限定に】などには決してなりません、と誰が保証してくれますかね?