阪急電鉄の会長が「一地裁の裁判官」などと傲慢な発言か

怒る関経連「なぜ一地裁の裁判官が」 高浜原発差し止め:朝日新聞デジタル

関西電力の高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転を差し止めた大津地裁の仮処分決定を、関西経済連合会森詳介会長(関電会長)や角和夫副会長(阪急電鉄会長)らが17日、批判した。

角副会長は17日、関経連の記者会見で「憤りを超えて怒りを覚えます」と切り出した。「なぜ一地裁の裁判官によって、(原発を活用する)国のエネルギー政策に支障をきたすことが起こるのか」と述べ、「こういうことができないよう、速やかな法改正をのぞむ」と訴えた。再稼働で電気料金が値下げされると、鉄道事業の電気代が年5億円安くなるとみていたという。

 

原発推進経済界の守銭奴共の記事です。

この記事に関して3/18の18:56現在467のブクマがありまして。
トップのコメントが以下のもの。

 

怒る関経連「なぜ一地裁の裁判官が」 高浜原発差し止め:朝日新聞デジタル

怒る国民「なぜ一地方の経営者が」

2016/03/18 09:03

 

なぜ一地裁の裁判官によって、(原発を活用する)国のエネルギー政策に支障をきたすことが起こるのか」これは朝日新聞によりますと、関経連副会長・阪急電鉄の角会長の発言だそうです。司法の独立を毀損するような、そんなゴーマンかましていいんでしょうか。阪急電鉄のHPをググりました。

 

環境への取り組み|安全・快適・環境への取り組み|阪急電鉄

阪急電鉄は、「地球環境の保全は人類共通のテーマであり、より健全な地球環境を次世代に引き継ぐことが私たちの使命である」との認識にたち、企業活動を通じて地球環境の保全に努め持続的発展が可能な社会づくりに貢献します。

・資源及びエネルギーの効率的な利用、廃棄物の発生抑制・再利用・再資源化などに取り組み、地球環境への負荷の低減に努めます。

(以下略・赤字は管理人)

 

おお、素晴らしい!「私たちは環境についてこのように考えています」などと環境への取り組みをHPに綴ってますなあ。

廃棄物の発生抑制なんてずいぶん大きく出ていますが、トイレの無いマンション・原発から出る高レベル・低レベルの放射性廃棄物は抑制しなくていいんでしょうかねぇ。
どーなんだよ。

 

 

労組の忖度を背景に官制春闘がグダグダの失速

共同通信の速報記事から

2016年春闘は16日、主要企業の集中回答日を迎えた。最大の焦点となったベースアップ(ベア)は年明け以降の株安や円高など事業環境の急激な悪化を反映し、自動車、電機が前年実績を大きく割り込んだ。3年連続のベア実施となるものの賃上げのペースは鈍化し、景気回復へ政権が主導する「官製春闘」の失速が鮮明になった。直近の業績を反映する一時金(ボーナス)では、好調だった自動車大手3社が満額回答した。

 トヨタ自動車豊田章男社長は中国など新興国経済の減速を念頭に「経営環境は潮目が変わった」と説明した。

 

これに関して朝日新聞でもこう続ける。

 

焦点:春闘ベア、昨年比大幅減 アベノミクス主力エンジンに失速危機 - ロイターニュース - 経済:朝日新聞デジタル

労使協調の低ベア>

 先行きに懸念を抱いたのは、経営者だけでない。先進国で最も「経営の先行きに敏感」と指摘される日本の労働組合が、要求段階で昨年の50%水準に「切り下げ」を断行したことも大きく影響した。

 

少し前に、『労組が交渉力を無くしたのはイデオロギーばかりで労働者のために活動していないからだ』みたいなブコメがあった。労組のイメージとしては若年層を中心に、例えばメーデーでの憲法を護れ、だとか辺野古沖移設反対など、そんなものばかりだという指摘がよく見受けられるのだが、それは少し違うと思う。この春闘だけを取り上げてみても上記の朝日新聞の記事にあるように、労組が先行きに懸念を抱き要求基準を昨年の50%に切り下げる「経営を慮る」というか「忖度する」というか。労組そのものが賃上げを自主規制してしまうという背景が大きい。

厚労省の毎月勤労統計調査から)

毎月勤労統計調査 平成26年分結果速報|厚生労働省

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(平成22年を100とするグラフ指数)

このように実質賃金は下がり続けの実態に、それでも御用組合は忖度する。会社が潰れれば元も子もないなんて、いまどき労使協調しようが倒産するものは倒産するのだ。昨今の大企業経営陣の無能さが発端となる経営危機を見ればわかりそうなもの。
春闘はお手上げ、非正規雇用に関係する最低賃金アップにも及び腰。

 

最低賃金を引き上げるべき理由 - himaginaryの日記

労組が交渉力を失ったのはイデオロギーばっかりだから、というのは違うね。日本の場合企業内労組が主流で「労使協調」という名の御用組合化だからだよ。

2016/03/11 12:28

 

企業内組合が労使協調の果て、御用組合ばかりになってしまい交渉を放棄しているようなもの。
では、そんな体たらくの労組を尻目に安倍首相が「ワタクチの内閣が」と企業に賃上げを要請したわけだが。

 

安倍首相「2度あることは3度ある」、官民対話で大幅賃上げ要請 - ロイターニュース - 経済:朝日新聞デジタル

安倍晋三首相は4日、経済界と意見交換を行う「官民対話」で、「2度あることは3度ある。過去2年の大幅賃上げの流れをさらに進めていただきたい」と述べ、企業側に賃上げを強く求めた。

 榊原定征経団連会長はこれに対し、「3度目の流れを実現できるよう呼びかけを継続していきたい」と応じた。

 

そのような安倍ソーリの要請も効果なく。
どうせ言ってみただけ、の官制春闘と揶揄される。
株式相場は年金ぶちこみ株高を演出しようという官制相場だし。なんでも官制だという指摘は、結局安倍政権の権勢浮揚ばかりを狙った、見かけばかりの張りぼての舞台セットみたいなニッポン社会。


見せかけだけの経済優先で、政権支持率を維持しつつ参院選で勝利しその先にある憲法改正だけしか頭にないタカ派現政権の企みでしかない。
そのような意図を経済界も知っていて安倍が賃上げの流れを推し進めていただきたいと投げかけ、労組の忖度を背景に経団連が実現できるよう、などと応じるという段取りミエミエのプロレス春闘だった。

 

 

「政治利用されたくない」という主語は「サヨクに」でしょ

いささか手垢が付いた話題だけど、以下の記事からです。

 

「保育園落ちたの私だ」 国会前で抗議行動:朝日新聞デジタル

 

そして、まとめサイトにはこんなものが。

#保育園落ちたけど政治利用されるのはごめんだ - Togetterまとめ

「#保育園落ちたけど政治利用されるのはごめんだ」というタグの誕生
待機児童問題に、反原発・反安保・反政権など余計な物をセットにして騒ぎ、本当に困っている人達の足を引っ張るのをやめて欲しいという意。

 

深刻な待機児童問題を何とかして欲しい、という切実な子育て世代の気持ちは勿論十分理解するし、そしてこの問題で国会前でスタンディングした人たちにとっては「反原発戦争法案反対」がついてくることがウザイというのも気持ちとしては判りますけどね。ウチらの問題には関係ないやん、と。


誤解を恐れず敢えて言うけれど「反原発・反安保など余計な物」などという言い草には、なに言ってんだかと思う。原発の危険性や、アメリカのケツにくっ付いて行って戦争が起こるかもしれない危険な法案は、それはもっと多く各層の国民に掛る重大な問題だろう。それは論を待たないと思うけれど。それを、このまとめで見る限り「余計な物」と断じるわけです。
保育園の待機児童問題の該当者にとって切実な問題だろうけど、フクイチ原発事故の避難地域に指定されて未だ帰宅できない人や自主避難している人にとって、原発問題が「余計な物」じゃないことは明らか。
それはお互い様ですね。

 

 

そもそも『政治利用されたくない』という言い方が謎。
不遜だと言ってもいい。保育園の不足問題は政治が絡んでいる問題なのに政治利用されたくないという、この自家撞着は如何ともしがたい。政治とは国民生活に直結しています。例えば消費税増税されればとたんに家計に響きますね?或いは、ポートフォリオを変更し、GPIFが株式投資比率を25%に上げて政権浮揚に株高を演出するけども、もし仮に損失が出れば年金支給額の減額もやむを得ないなどと、厚かましくもぬかす政権与党の失政も生活を直撃する訳です。

 

国会前でプラカードを持って立つ、ということはその行動を起こす人がまず何より政治問題だと認識しているからに他ならないと思いますがね。政治利用しないで、というならわざわざ国会の前でスタンディングする必要はありませんね。ようするに政権批判するな、というフィルターがかかっている、というしかないですね。

 

例えば、国会前のこのスタンディングに自民党の政治家が現れて(自民党の政治家がそれをしなかったのが不思議だ)ですね。
「皆さんの切実で真剣な!このお声を必ず!ワタクシがアベ総理に届けます!そして、この問題の早急な解決策を国会の論議の中で見つけだすことが私に課せられた政治課題だと…!」云々かんぬんとトラメガを持って叫んだとしましょうか。仮定の話に付き合ってられるかい、という批判が聞こえてきそうだけども。でも例えばですね、そんな風に言われ日にゃあんた。それは政権与党側の「政治利用」ではないのでしょうかね?つか、政治利用だろ(キッパリ)。

 

もし、それを容認するならば、ダブスタって言うんでしょ、それは。
「とたんに引くなあ」だとか「胡散臭いな」とか、「思想に飲み込まれるのはいやだ」などという意見が喧しいけれども、要するにそれは政権批判するな、というある種のその筋の同調圧力です。

 

 

 

 

 

愛媛県(東予地方)の方言やけんのぇ

今週のお題「方言」

 

生まれ育った近畿地方から妻の故郷である愛媛に転居してきて、すでに18年が過ぎるのだけど、言葉のイントネーションがいわゆる関西弁(妻に言わせると愛媛も関西だそうだ)に近いけれど、似て非なる部分もあって当初は戸惑うことも多かった。

伊予弁 - Wikipedia

古い京言葉(現代の京都市内では使われていないほど古い表現)が残っているケースが多くみられるが、愛媛県においても同様のことが言える。ただし同じ伊予弁でも南予のそれは九州方言の影響が強まり、近畿方言の影響が強い中予・東予のものとは大きな相違が見られる。この南予方言も大洲市を中心とした大洲方言宇和島市を中心とした宇和島方言とに分けられる。

 

愛媛県は割と広い面積で私が住んでいる東予地方、そして松山がある中予地方、宇和島などの南予地方とあり、それぞれ方言が違うようです。夏目漱石の「坊ちゃん」でよく使われる語尾で「~なもし」は、中予地方の言葉だけど最近はあまり使わないみたい。

 

こちらへ来て最初の方言による洗礼は、例えば会社で休憩する時に、先輩に「休憩します」と言いますと。
「お、ゆっくりしてこんかい」と返されてしまい。なんでこのオッサンにそこまで、ツッケンドンに言われなきゃいけないんだ!と憤ったりした。「ゆっくりしてきて」がそういう言い方になるようだけれど、(いま振り返ってよく考えてみると、多くの人はそんな言い方はあまりしていない。あのオッサンが横柄だったのかよ?)
大阪辺りで「~してこんかい」と言うと、突き放した命令口調みたいで、「おまえケンカ売ってんのか」となりかねなかったりします。

 

 東予地方では、「~わい」と言う語尾を付ける。
「私がしましょう」というのを、男性なら「ワシがしょうわい」と言う。
~してくる、というのは「~してこうわい」となる。
帰宅するときの挨拶は「帰ってこうわい」と言うので「帰って、また来ます」かと思えばそうじゃなく、そのまま帰ってしまい「もう帰っては来ない」ので、あれ?となった経験が。

 

全く分からなかったのが「まくる」という言葉でして。
「それ、まくって」と、指差された物をこれをですか?と、裏返してみたことがある。それは「めくる」という意味じゃなく、「捨てる」ということだと後で聞いて呆れたりしたりした。

この他にも
「しゃぐ」→ひく (車にしゃがれた・下にしゃぐ→車にひかれた・下にしく)
「いなげ」→変な (いなげな人じゃ→変な人だ)
「がい」→「傲慢」(初めに言及したのは、がいなオッサンだった訳ね)
「ほんでのぅおえ」(それでね)
「ほやけんの」  (だからね)
「足りぐるしい」 (少し不足かな)
「どくれる」   (不機嫌になる、拗ねる)

 

外国語みたいに聞こえる言い方もある。


「おらぶ」→   (大声で叫ぶ。)

使用例として「ほら!おらんどらんと!」→(ほら!大声で叫んでないで!)となり、方言を知らない人が聞けば、なんのこと?みたいな。  

 

他の土地でもそうみたいですが、その方言を標準語だと信じて疑わない人も多数です。それがついに書き文字にまで波及した例がこれです。
松山の道後温泉の近くで見た駐車禁止の看板。

 

 035 

        「駐車せられません」ね

 

それと、愛媛では水道水が無料だったり(一部)、蛇口の混合栓からミカンジュースが出ます。


え?
嘘もホウゲンって言います。

 

 

【なにを今さら】首相は「消費税を8%に上げたら景気が冷え込んだ」と周辺に語った、というヨミウリの記事がなんともまた

読売新聞によりますと、消費税が景気に悪影響を及ぼすことを、とうとうやっと、遂に、安倍晋三が認めたそうでして(笑)。
以前、タニガキ幹事長などは『アベノミクスの失敗だと取られないためにも10%への消費増税を行うべきだ』とノタマッテいましたし、日銀バズーカ黒田総裁なんか『増税しないことの方がリスクが高い』などと仰っていた訳です。失敗やんかw

 

消費増税、先送りの兆候?…首相の発言に変化 : 政治 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

 安倍首相が、2017年4月の消費税率10%への引き上げを先送りする場合の状況について、「世界経済の収縮」を条件に掲げ始めた。

 これまでは「リーマン・ショックや大震災のような重大な事態」が起きない限り、予定通り実施する考えを強調してきた。与党内では「首相は軌道修正を図っている。再増税を見送る可能性が高まっているのではないか」(自民党中堅)との見方も出ている。

 首相は最近の国会審議で、予定通り税率を引き上げる方針を明言する一方、「世界経済の大幅な収縮が実際に起きているかなど、専門的見地からの分析を踏まえ、その時の政治判断で決める」(24日の衆院財務金融委員会)などと強調している。26日の衆院総務委員会でも、「株価、市場変動のみでなく、実体経済にどういう影響が出ているかも含め考えないといけない」と語った。年初から急激な円高、株安が進み、世界経済が不安定になる中、再増税を既定路線にしたくないとの思いが強まっているようだ。周辺には「消費税を8%に引き上げたら景気が冷え込んだ。上げなければ、税収は今頃もっと増えていただろう」と、半ば悔やむように語っている。

(赤字は管理人による)

 

私は一読、【この野郎!!】となりましたがね。
だが、未だに全国津々浦々で暴動が起こっていないことを鑑みればこの野郎!!とは思わない人も多いのかしらん。しかし何と言ってもこの記事の出どころは朝日新聞ではなくて、政権御用メディアのゴミウリ新聞だというから信憑性が高いw

 

ところでこのゴミウリ記事についた、はてなブックマークコメントに酷いのがチラホラしています。

 「全ての層から等しく徴収できる消費税」、などとトンチンカンも甚だしいブコメが散見されます。未だ、消費税がすべての層の全員から等しく徴収できてよいと思う人間がいると考えるだけで、愕然とするというか、権力に飼いならされている感が果てしなく広がる荒涼たる風景というか。

 

アンタら逆進性っていう言葉を耳にしたことがないのかい?
まあ、逆に言えばこんな意識の国民がいるからこそ、自民党が政権与党を担っているというのもまた然り。愚民化成功。
もっと言えば5%に戻せと言うのも甘すぎる。

 

仕方がない、あの東京新聞長谷川幸洋大センセイが消費税の逆進性を分かりやすく解説してくれているので、引用しときます。

 

たとえ財務省の「悪知恵」であっても、「消費増税なら還付金」は低所得層向け政策として正しい! | 長谷川幸洋「ニュースの深層」 | 現代ビジネス [講談社]

それは消費税が低所得者に厳しい逆進性をもっているからだ。たとえば所得が年間300万円の家計と3000万円の家計がいたとする。どちらも食料品のような生活必需品にはそれなりに支出する。

300万円の家計が食費に年間60万円の支出をすれば、その分の消費税負担は税率10%なら6万円だ。一方、3000万円の家計が食費に150万円支出したとすれば、消費税は15万円である。300万円の家計にとって6万円の消費税は2%に相当するが、3000万円の家計にとって15万円はわずか0.5%にすぎない。

 

おお、さすが長谷川センセイ大変解りやすいです。
これを読んでも「消費税がすべての層から等しく徴収できる」なんて言うならば、それは長谷川先生が悪い。文句はこんなの雇っている東京新聞へ言いなさいね。

 

私の過去エントリを張り付けときます。

 

消費税増税の軽減?朝三暮四の猿扱いかよ - 諸般の事情はどうですか

消費税増税 欠陥税制をどう取り繕ってもクズはクズ - 諸般の事情はどうですか

【麻生太郎】けちつけるなら対案出せ?税の応能負担て知ってるかい - 諸般の事情はどうですか

派遣法改悪と消費税の絡み - 諸般の事情はどうですか

 

まあ、素人の戯言、そんなもん当てになるかい、とお怒りのむきにはノーベル賞経済学者ポール・クルーグマンの2014年のインタビューを貼りつけます。文句あるんならそっちへ言え。

 

gendai.ismedia.jp

 

 

たしか自民党は消費税増税に関して「景気条項」を削除しているわけでしたか。来年の4月から10%に増税することも既定路線じゃなかったのかよ、と。
あれですかね、「経済この道しかない」などと大見得切ってましたが、また政権放り出しの兆候ですか。金融の異次元緩和だとかアホノミクスとか、それで一向に景気が良くならなくっても責任取らない姿勢が異次元なのかい?と揶揄したくなるのも仕方ないでしょ。
そろそろ秘技政権放り出しが近いかな。

 

 

非正規雇用の独身の孤独と絶望

35歳~54歳の子どものいない独身女性が困窮と孤独に苛まされているという朝日の記事を引用します。

 

非正規・独身…孤立し困窮する女性たち、切実な実態調査:朝日新聞デジタル

非正規で働く、子どものいない35~54歳の独身女性が、困窮し孤立している実態が、公益財団法人「横浜市男女共同参加推進協会」などの調査でわかった。「病気になったら生活が破綻(はたん)する」「1人で老後まで生活できるか不安」。さまざまな支援策からも漏れ、寄せられた声は切実だ。

現在の年収は「150万円以上250万円未満」が4割。「150万円未満」の人が3割で、年齢が上がるほど比率が高かった。

 現職の契約期間は1年未満が4割余。3割が仕事を掛け持ちしていた。非正規職に就いている理由は「正社員として働ける会社がなかった」が6割を超えた。

 「親の介護で貯金を使い果たした」(54歳)「いつまで働けるかわからず、元気なうちに死にたい」(42歳)など、収入や雇用継続への不安が多く聞かれた。

 仕事につながるスキルアップのほか、「孤独」「居場所がない」として、同じ立場の人との交流や相談の場を求める声もあった。

 

ここ2本ほど続いたエントリーに関するけれども、非正規雇用の中年女性層もやはり「正規の雇用がない」という理由が6割を超えます。
「いつまで働けるかわからず、元気なうちに死にたい」(42歳)との壮絶な孤独感と果てしない絶望にはかける言葉を失う。
アンケートでは、老後の心配や仕事の悩みなどがそれぞれ8割を超え、そのほかに親の介護など、独り身の女性の肩にその多くがかかってきて。
ただ、正規雇用になったとしてもすべての問題が解決されるわけではないことも当然ですが。

 

この記事に関するブックマークコメントが考えさせられました。

 

そして忘れさられる恵まれないおっさん達。/これは自由と自立の代償なのか?

身につまされる。すぐそこにある現実。とはいえこれを避けるために男という意味不明な生き物と暮らすのはごめんだ。 

 

非正規の独身男性にも同じような不安や悩みがあるのは明白で、上のコメント主は男性だろうし。
下段のコメント主はおそらく女性であろうか、けれどもだからといって男性と暮らすという選択肢はまっぴらだ、という意思が感じられます。

 

私も独身時代に親がうるさく言うもんだから婚活サービスに登録したことがあった。当時で40万弱の会費を支払った。しかもそのサービスでは結婚にたどり着けなかったし。つまりドブ銭だったわけ。
金を支払ってまで婚活をするという男女がどれくらいいるのか分からないが、雇用のミスマッチと共に結婚のミスマッチかもしれない。

 

自由と自立の代償なのか?というコメにあるけれど。
自由と孤独はふたつでセットという歌詞があったかのように記憶していますが『ひとり口は食えずともふたり口なら食える』という古い言い回しだけでは片付かない切実な問題が横たわっていて。
でも、そうしたこともまた現実として言えるのも確かかな、とも思うけど。オッサンとしては。

 

 安倍政権が1億総活躍などとお題目さえ唱えれば、私の責任は果たした、なんていう言いっ放しの政治に放置されるのはこうした暗澹たる現実でしょう。

 

 

 

                    

「正規の仕事がない」との理由が減少した原因?

前エントリーが久しぶりに多くのブクマを頂き、恐悦至極でございまして。
コメントも頂いたのでそれに関してのエントリーを書こうと思います。

■id:takonohamajp

データの扱い方がどちらも恣意的すぎる?
【男性では「正規の職員・従業員の仕事がないから」が前年同期に比べ9万人減少】労働力調査(詳細集計) 平成27年(2015年)10~12月期平均(速報)結果

■id:wrr

確かにデータの扱い方がちょっとだめですね。正社員自体は人口構造の歪みから減ってくので正規雇用比率でみるといいです。安倍政権以降生産年齢人口での正規雇用比率は高まってます。非正規雇用が増えたのも主に就職弱者、特に高齢者が働けるようになったからで円高時の就業率の低下と円安時の就業率の上昇、世代別で見れば65歳以上だけが非正規比率が高まってますね、ほかは低下に転じてます。

 

お二方コメントありがとうございます。
takonohamajpさん、前年同期に比べて減少したという点は評価しなければいけません。しかし、wrrさんのコメントにも関係するのですが、その減少に転じた原因がどこにあるのかというものです。「改正高齢者雇用安定法」だとか企業の定年延長再雇用制度などが俎上に上がってくるのかもしれません。

 

というのも、高齢者や定年延長による再雇用などの非正規雇用者は正社員だったか、あるいは初めから正規雇用を求めない傾向にあるものと思われます。wrrさんが言及されていますように、65歳以上の非正規率が高まっていることを踏まえると、そういう制度が「正規の仕事がないから」という理由の減少である可能性が高いと思いますが。
そのことに関した『東洋経済オンライン』の記事を見つけましたので以下引用します。

非正規雇用比率「4割大台乗せ」の正しい見方 | 就職・転職 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

ポジティブな非正規雇用が増えている

つまり、4年前と比較して「非正規」の割合が増加したことは確かだが、追いつめられた労働者がやむを得ず、というステレオタイプな「非正規」のイメージとは異なり、法によって企業に義務づけられた制度により、労働者にとってポジティブな「非正規」雇用が増加している可能性が高い。

「改正高年齢者雇用安定法が、非正規割合を押し上げた一つの原因と言えることは確かだ。昨今の景気の回復によって、65歳以上の就業割合は上昇傾向にあることを示している。メディアでは少し歪められた形で報道されているのではないか」(厚生労働省雇用・賃金福祉統計課 山口美春氏)

 

このグラフを見ると、25~54歳男性では、やはり圧倒的に「正規の職員・従業員の仕事がないから」という理由がダントツです。この記事の後半部分を少し引用します。

高年齢者雇用安定法も、結局もともと正社員だった人だけが恩恵を受けられる仕組み。順調に正社員を続けてきた人と、レールから外れてしまい従来から非正社員だった人との間で、「非正規」の枠の中でも、格差が生じる状態になってきているということが、本質的な問題なのではないだろうか。

 

順調に正社員を定年まで勤め上げた高齢者と、これから、という25歳~54歳の働き盛りの男性が「正規の仕事がないから」というのとでは雲泥の差があると感じますが。なにしろ「2014年1年間に非正規労働者に支払われた給与総額は正社員の12%にとどまる。(日経新聞の社説より)」という給与の格差が厳然としてありますから。
正社員だった人が定年を迎え再雇用となった場合には正規従業員としての雇用は求めないだろう、というのが概ね正しいのではないでしょうか。

 

長谷川幸洋氏だけじゃなく、この雇用統計は総務省厚労省そのものが恣意的な数字を出しているなあ、と感じた事です。そもそも非正規雇用の男女の数字を合計していること自体が変だなと思ったからです。
家計の助けになるから、夫の配偶者控除を受けながら103万の壁でパートとして働く非正規雇用女性と家計の大半を稼ごうとする非正規雇用男性の問題点は大きく違うと思うわけです。

 

 

ところで記事とは関係ないけど。
エクセルなどのデータをはてなブログに張り付けられるんですかね。
前エントリーを書いている時、無知なものでデータをプリントアウトして、それをスキャンして画像として取り込んだりしましてね(苦笑)ですからグラフの色が微妙な感じでしょw